【90年代UKロックの名盤】『モーニング・グローリー』が凄い理由

OASIS(オアシス)を代表する、いや90年代を代表する、いや英国ロックを代表する…まぁ何でもいいや。

とにかくスゲぇ!アルバムである『(What’s The Story)Morning Glory?』(モーニング・グローリー)発売から26年が経ちました。

巷ではこれぞOASISの最高傑作とする声も多いですね。

 
ショウ
『KID A』(2000年)も同じリリース日なんだね。

本来ならリリース記念日である10/2にこの記事も出したい所でしたが、バイオリズムがどうしてもそこに合わなかったので今からチマチマやっていきます。

メインのテーマとしては、何故このアルバムはここまで爆発的に売れたのか?というような所を考えてみようと思います。

それに加え売り上げ記録トリビア的なことも幾つか取り上げてますので、辛抱して最後まで付いてきて下さい。

なお、収録曲個別のレビューに関しては『(What’s The Story)Morning Glory?』全曲レビューをご覧下さい。

 
ギタリスト
ま〜ホンマよう売れたアルバムやで

リリース背景と記録

まずは制作状況輝かしいセールスについてサラッと。あ、ちなみにこの「Morning Glory」のMVを監督したのは「ネブワース1996」でお馴染みのジェイク・スコットです。

 
ショウ
U2やレディオヘッドのビデオも手掛けてるよ。

制作状況

レコーディングが行われたのはウェールズ南東部のモンマスシャーにあるロック・フィールドスタジオで、クイーンやブラック・サバスなどの数多くのロックバンドが使用した事でも有名です。(➡リアム&ボーンヘッドが当時を語る動画)

ストーン・ローゼズの『セカンド・カミング』もこのスタジオで録音が行われました。 

アルバムの録音は1日1曲とういうハイペースで進められ、トータル12日で完成(ローゼズは14ヶ月)

しかし、このアルバム実は発売当初メディア(NME、Q、メロディーメーカーなど)の評価は低いものでした。

「ひと昔前のアルバム」「OASISは疲弊している」など、後に伝説を作るアルバムとは思えない評価を受けることに。

 
ギタリスト
ヒドい言われようやな。

記録面

リリース日は1995年10月2日、初週で34万枚を売り上げ、当然ですが全英チャート1位でスタート。

その後、10週連続で首位をキープし、現時点で全世界において約2500万枚を売り上げているモンスターアルバムになってます。

モンスターの名に相応しく、90年代で最も売れたUKロックのアルバムであり、UK歴代でも5位と凄まじい足跡を残すことになりました。

全米チャートでも最高4位まで登りつめ500万枚以上のセールスを記録。(日本オリコンチャートも最高8位)

翌年のブリット・アワード1996での受賞も凄いもので、ベスト・ブリティッシュ・ビデオ⇒動画)、ベスト・ブリティッシュ・アルバム⇒動画)、そしてベスト・ブリティッシュ・グループ⇒動画)の3部門をもぎ取りました。

結果的に全英チャート内に8年半居座り、ブリット・アワード2010では『この30年間におけるベスト・アルバム賞』を受賞することになります。

 
ショウ
ホンマ、挙げ出したらキリないわ。

シングルカットされた曲

初の全英チャート1位を獲得した「Some Might Say」を始め、シングルカットされたのは以下の4枚。

・Some Might Say(1位)

・Roll With It(2位)

・Wonderwall(2位)

・Don’t Look Back In Anger(1位)

※()内はチャート最高順位

なお、以下の曲は一部の国のみでシングルカットされた。

・Morning Glory(オーストラリア、ニュージーランド)

・Champage Supernova(フランス、オーストラリア、ニュージーランド)

 
ギタリスト
「シャンペン〜」は、アメリカではラジオ局用のプロモ盤が作られたな〜

以前Twitterでこれらのシングルの人気投票を行った結果はこんな感じです⬇

やはり「Don’t Look Back In Anger」強い!他は接戦の末ほぼ同率でした。

シングル曲に関しては以下の記事もどうぞ。

 
ギタリスト
Wonderwallは橋本環奈ちゃんの推し曲やで〜
 
ショウ
シングルカットはされなかったけど、「Cast No Shadow」「She’s Electric」も素晴らしい曲です。

セールスを爆発的に加速させた5つの要素

それでは、このアルバムのセールスを加速させたであろうストロングポイントを5つほど挙げてみようと思います。

①ノエルの作曲とその繋ぎ方

今作でのノエルのソングライティングに関して、今さら細かく語る必要もないでしょう。

どう説明しようが結論はクソ素晴らしいって事なんですから。

(2分割された「The Swamp Song」を除く)この輝かしい10曲、どれを取っても聴き手の耳を掴んで離さない曲ばかり。

当初全曲をシングルカットするという冗談のようなプランもあったらしいですが、そうなっても全然戦える曲ばかりですね。

でも、そんな必要はありません。

何故ならインスト曲も含め、12曲がまるで1つの生命体のように脈打つメドレーとなり、異常な位至福な時間を与えてくれますから。

1番注目すべきはそこじゃないでしょうか。

ノエルが作った超ハイクオリティな曲が奇跡的な流れで繋がっている。

そこが『Morning Glory』のハイライトなんですよ。

Beatlesの名作、『Abbey Road』B面のメドレーもビックリではないでしょうか。

 
ショウ
トータル時間も50分とイイ収まり方なんだよね。

②リアムの声の変化

で!明らかにリアムの声が強力になってます。

ノエルもいつかのインタビューで、「曲が良くなるにつれて弟も良くなっていった」って言ってたけど、まさにこの1st ➡2ndの期間はそれが顕著に表れています。

皆さんもそう思いませんでしたか?

僕はもう1曲目の「Hello」を聴いた瞬間に「お〜!!リアムがパワーアップしてる!!」と唸りましたよ。

僕も90年代のOASISに関しては後追いなんで、1st聴き終わったら速攻2ndの1曲目なんです。

だから先行シングルの「Some Might Say」「Roll With It」でジワジワ変化していくのをすっ飛ばして、いきなり強力になった「Hello」だったんでブッたまげました。

そして、この声のパワーアップはよりノエルの曲を輝かせています

 
ギタリスト
この時期のリアムはアホみたいに神がかっとるな〜

③ドラマーがアラン・ホワイトに変わった

「Some Might Say」を最後に初代ドラマーのトニー・マッキャロルは解雇されました。

そして2代目の座についたのがアラン・ホワイトです。

トニーとアラン、誰が聴いてもテクニックの差は歴然。

OASISはこの新ドラマーを獲得した事で、曲の表現を一気に広げる事が可能になりました。

明らかにトニーでは「Wonderwall」は叩けません(※トニーにはトニーの良さがあります)。

アランのドラムは間違いなくこのアルバムを強力にしてます。

リアムのパワーアップとアランのドラム、この2つだけ見ても相当なインパクトがあります。

 
ショウ
アラン、グッジョブ👍

④ブリットポップ・ムーブメントの絶頂期

音楽面以外でもその上品な立ち振舞いから常に世間を賑わせるOASIS(というかギャラガー兄弟)。

それに拍車を掛けたのがブラーとのシングル対決でしょう。

対決には敗北しましたが、このブリットポップ戦争がOASISにとってかなり大きなプロモーションになってたのも事実。

1stの時点でブレイクはしているが、ここで大きく目立った事でさらに世界中の人々を惹きつけていったと思うんですよね。

何だかんだこの戦争、いい下準備になっています。

 
ギタリスト
同時期に出たBlurのアルバムにか〜なりの差をつけたよな〜

⑤ネブワース公演を含む大規模なワールドツアー

そしてこのアルバムを引っさげて、というより発売前の95年6月から96年9月までの間に全103公演のワールド・ツアーが行われました。(96年の9月の北米ツアー中に兄弟喧嘩を起こし、強制終了になりましたが。。)

もちろんこの中には、伝説となった96年8月のネブワース公演をはじめ、アールズコートメインロードロック・ロモンドコークなどの巨大ライブを幾つも成功させています。(リアム欠場のMTVアンプラグドとかもありましたね笑)

アルバムの出来も素晴らしい上、ここまで精力的にライブをこなしたんですから、並大抵のセールスじゃ収まらないかと思います。

ノエル曰く、仕事は「やったぶんしか返ってこない」らしいので、納得の結果ではないでしょうか。

 
ショウ
よ!働き者!!

 
ショウ
OASISパーカーで街に繰り出さないかい?

➡ジャケ写Tシャツはコチラ【アダムエロペ公式】

2019年にアダムエロペから別注発売されたリリックパーカー。「Don’t Look Back In Anger」や「Champagne Supernova」の歌詞が背面にプリントされている。
 
ギタリスト
「Live Forever」「Supersonic」もあるで〜

前半まとめ

てな訳でまとめると

①個別でも強い曲が10曲ある➡しかもそれが素晴らしい1つのメドレーになっている。

②リアムの声がより強力になった➡ノエルの曲をさらに輝かせた。

③アラン・ホワイトのドラムが素晴らしい➡やっぱりノエルの曲を輝かせた。

④ブリットポップ戦争は結果的に最高のプロモーションになった➡さらばブラー。

⑤大規模なツアーという営業活動が効果を発揮した。

以上のような事が『Morning Glory』のセールスを加速させ、爆売れ2500万枚というメガモンスターファッキンアルバムに変貌させてしまったと考えます。

アルバム自体の素晴らしさに加え、ブリットポップという時代背景、さらにネブワースを含む巨大ライブの数々、これらが連鎖反応している所も見逃せないですね。

さて、『90年代OASISの好きなアルバムは?』といった投票も実施した事がありまして、結果は以下のような形になりました。

圧勝、50%頂きました笑

これはもうね、ブッちぎっちゃいますよね。

僕も5回ほど買いました。

はい、そんな感じです。

とりあえず本編はココまでで、あとはジャケ写の話やら何やらのオマケコーナーになります。

 
ギタリスト
前半終了や〜
 
ショウ
2014年にリマスターされてるよ。
全世界に鳴り響いた90’sUKロック最強アルバムっ!!!
 
ギタリスト
Super Deluxe Box Set(公式サイト限定)ていうエグいのもあったな〜。。

オマケいろいろ

ジャケ写についての事や、2020年の発売25周年イベントについてもどうぞ!

 
ショウ
後半スタート。

ジャケ写にまつわるエトセトラ

この『Abbey Road』に対抗するかのようなジャケットは、ロンドンのソーホー地区にあるバーウィック・ストリートで撮影されたもの。

すれ違う2人の男は、OASISジャケデザインでお馴染みのブライアン・キャノンと、ロンドンのDJショーン・ローリー。

そして、奥の方でスッゲー小さく写ってるのがプロデューサーのオーウェン・モリス。

カメラマンはコチラもOASISジャケで有名なマイケル・スペンサー・ジョーンズ先生。

現在のリアムとノエルは道で出くわしても、こんな感じですれ違うのだろうか。

ジョーンズ先生のインスタでは色々なアウトテイク見れます。

早朝の撮影だったので人も車もほぼいない模様。

あ、この時点で奥にオーウェン・モリスがいますね。

 
ギタリスト
奥に行きすぎちゃうか〜見えへんで 

通りを突き進んで行くとこんな感じのようです。

もちろんここはOASISファンの聖地な訳で、現地ではジャケットを手に写真撮影するファンが絶えないとか。

ノエルいわく、「日本人はそういうの好きだよな」とのこと笑

そんな日本人の1人が僕のTwitterフォロワーさんにもいますので、是非コチラの体験記をお読み下さい⬇

 
ショウ
このバーウィックストリートと交差する通りはノエルストリートという名称なんだよ。
 
ギタリスト
そういやオレはこの『Morning Glory』ジャケのマグカップでコーヒー飲むのが好きなんや
➡『Morning Glory』の『?』を強調したTシャツ!!

25周年記念アナログ盤

2021年、発売から25周年記念という事で2種類のアナログ盤がリリースされました。

どちらも輸入盤仕様、カッコいい!

 
ギタリスト
メルカリとかでたまに見るけど高いな〜
 
ショウ
シルバーカラー・ヴァイナル盤だよ。
(出典:公式サイトより)
 
ショウ
重量盤ピクチャーディスク。
(出典:公式サイトより)
 
ギタリスト
アナログ盤といえば、Bonehead’s Bank Holidayが名曲やな。

ノエルが25年前を振り返る

25年の時を経て、ノエルがロックフィールド・スタジオを訪問した動画が公式チャンネルにあります。

この名作がいかにして出来上がったのか?、リアムをボコボコにシバいた原因はなんだったのか?

興味深いエピソード満載なので是非チェックしてみて下さい!

あと、25周年の当日にYouTubeでアルバム全曲のMVを流すイベントもありました。

日本でも25周年イベント

さらに、日本でも上のような企画がTwitterで行われました。

こちらのタグも覗いてみると、結構フォロワーさん参加してましたんで、いくつかTweetお借りします。

 
ギタリスト
エエ話やないか〜
 
ショウ
こんな企画もあったよ。
(出典:音楽ナタリー)

また、日本の芸能界においてもOASISファンは多いようで、面白い記事があったので音楽ナタリーさんのリンク貼っておきます。

みのミュージック

みのミュージックでも25周年のタイミングでOASISの特集が組まれました。

先程紹介した25周年記念シルバー・ヴァイナルの開封場面もあります。

あとはギャラガー兄弟が過去に発言した悪口で打線を組むという企画もやっています笑

これ中々面白いので是非ご覧ください。

永野チャンネル

そして、僕が大好きな永野チャンネルでもOASIS(とBlur)が特集されました。

永野さんも『(What’s The Story)Morning Glory』は大好きみたいなんで、ぜひ関連記事も読んでみて下さい。

 

はい、本日は以上になります。

どうも、ありがとうございました!

 
ショウ
次作『Be Here Now』についてのお話もヨロシク!!