今回は主にシングルのB面曲にスポットを当てている企画の第2弾です。
紹介する5曲中、ノエルがボーカルをとる曲が4曲とまたまたノエル推しな記事となってしまいました。
それでは、どうぞ。
One Way Road
2000年リリース、「Who Feels Love?」のB面として収録されたノエルがしっとり歌い上げるスローナンバー。
良い意味で力の抜けたノエルの歌声が実に心地イイです。
演出として鳥の鳴き声が所々に散りばめられ、OASIS風フィーリングミュージックに仕上がっていますね。
One Way Road=一方通行、つまりこれを人生に例えているかと思われます。
癒やされる曲調とは反対に、人生の孤独さや儚さが描かれたような歌詞がノエルらしい。
2003年のTeenage Cancer Trust(チャリティーライブ)でも披露されています。
また、2004年にポール・ウェラーがカバーアルバム「スタジオ150」でこの曲を取り上げました。
コレはコレで、ウェラーらしいソウルフルな仕上がりになっていて渋いです。
Carry Us All
こちらも2000年リリース「Sunday Morning Call」のB面に収録されたノエルナンバー。
ちなにみにノエルはもう1曲のB面曲「Full On」も歌っているので、このシングルはリアムの出る幕がなかった事実上のソロ・デビューシングル??となりました。
OASISの歴史上ほとんど触れられてないような曲ですが、こういう埋もれたダイヤを吟味するのもまた、ファンとして楽しいものです。
ここでも文句なしの流暢なメロディー展開で、ノエルはリズムよく自信満々で歌っています。
力任せではなく、静かな歌い出しから徐々にギアを上げていく展開がとてもスマートですね。
この曲も含め 、やはり『Standing on the Shoulder of Giants』期の曲はガツガツせず、あっさり薄味といった感じの曲が多い印象。
Flashbax
98年、シングル「All Around The World」の3曲目に収録されたのがこの「Flashbax」。
B面曲を集めたアルバム『The Masterplan』 には入っててもイイのでは?と思う程のハイクオリティ・ソング。
かなりゆったりした曲調とシンプルなメロディーラインは、リアムが歌ってもそれなりに形になりそうです。
間奏中に聴こえる口笛はおそらくノエルで、ここで聴かれるものはイマイチですが、基本的に口笛は上手い人だと思います。
歌詞に関しては相変わらず抽象的な表現が多いですが、”もういいよ他人の言う事なんて興味ねぇよ”といった、こちらも相変わらずいつものノエル節と言った所でしょうか。
本気は刺さる
大体皆さんお気付きかと思いますが、OASISはあらゆる箇所に再利用の多いバンドです。
メロディーも歌詞もギターソロも、軸となる部分はあまり変わりないです。
それを退屈と感じる人も少なくないですよね。
でも同時に長い間そのようなスタイルで人気を落とさないのは何故か?
月並みな表現ですが、そこに注入された信念や想いが本気だからではないでしょうか?
技術的な部分では決して先端を走るバンドではなくむしろ古臭い所もありますが、MAXの自己肯定をブチまける事で曲に新たな魂を宿しています。
結局僕らはそういう所に感動してるんじゃないでしょうか?
最近は”自己肯定感”という言葉をよく聞きますが、そういったものはOASISによって相当な回数、相当な期間繰り返されてきました。
言い換えるならば、もう飽き飽きする程にそのメッセージは放たれてきましたが、その度に本気を感じてしまってはこっちも引くに引けないですよね。
The Fame
お次もシングル「All Around The World」に収録された、アップビートなポップナンバー「The Fame」。
そしてボーカルもまたまたノエル。
OASISのB面は、まるでひっそりノエルのソロ活動が展開されていたかのような独占っぷりですね笑
でも、一応リアムとはフェアにやってた…はず。
しかし、「The Fame」は”俺だって主役張れるんだぜ”と言わんばかりの良曲です。
軽快で爽快な風を感じさせるような仕上がりは、すでに何作かヒットを飛ばしてるポップシンガーかと錯覚しそうです。
ここでも真新しいものは特にありませんが、頭を空っぽにしたい時、遠くに行ってしまいたい時のサウンドトラックとしてイイお供になりそうな曲です。僕的には。
Thank You For The Good Times
さて最後は、2002年「Stop Crying Your Heart Out」の2曲目に収録された「Thank You For The Good Times」。
ここまでノエル曲のオンパレードでしたが、最後はアンディ・ベルが作ったこの曲で締めくくりましょう。
遠回しな表現が多いノエルとは反対に、実にシンプルに分かりやすい曲です。
英語が苦手な人でも、このタイトルで意味は大体分かると思いますし、歌詞についてもおおよそそのイメージに収まります。
OASISにしては素直過ぎて少しスイートな感じに仕上がっていますが、これもまた意外性があっていいのではないでしょうか?
メロディーも派手な起伏がなく、ドラマティックな展開ではありませんが、そこをリアムのようなぶっきらぼうな男が歌う事で意外とハートウォームな曲になっています。
リアムの声のコンディションが厳しい状態で録られているのが少し残念ですけどね。。。
”素晴らしい時間をありがとう”
密かにOASIS自身に向けられたエンドロールのような曲。
まぁ、そんな収まりの良い終わり方ではなかったですが。。。
それでも多くの人達は、OASISに”Thank You For The Good Times”なんじゃないでしょうか。
あとがき
掘っても掘ってもイイ曲が見つかるようなバンドなので、どれを優先的に紹介しようか迷う所ではあるのですが、とりあえずその日の自分にヒットするものを取り上げていきます。
ありがとうございました。
それでは、また✋