さぁ今回やっていくのはOASIS(オアシス)にとって初の全英シングルチャートNo.1を獲得した「Some Might Say」(サム・マイト・セイ)です。
まず前半は以下のようなポイントを軸にやっていこうと思います。
・Suedeからの影響もアリ。
・リアムさん、ビデオ撮影に来ず。
・「Acquiesce」はA面だった!?
・リアムはソロでも演っている。
そして、後半はオマケというかトリビアというか、こんな感じです。
・マンチェスター・シティを応援する横断幕。
・あの本田翼さんもテレビ番組で取り上げた話。
リリース背景
Beatlesを彷彿させる寛大なシングル「Whatever」のリリースから4ヶ月後の95年4月24日に「Some Might Say」はリリースされました。
流れで言えば『(What’s The Story)Morning Glory』からの最初のシングルで、OASIS第2章の幕開けといった感じでしょうか。
そして、見事初のシングルチャート1位を獲得し、通算45万枚以上を売上ました。(95年年間チャート31位)
この1位獲得に関してノエルは「多くのインディーロックバンドが達成できない中で俺達はやってのけた」と大変価値のある経験としています。
まつわる出来事
元々デモの段階では6分半とややモッタリな雰囲気でしたが、最終的には5分半まで押し上げる事に。
リアムはボーカル録りをサクッと2テイクで終わらせ、見事な歌声を披露しています。
そしてノエルはこの曲を「とてもOASISらしい曲」と評価。
ちなみにノエルによるとこの曲は、Suede(スゥエード)の「Animal Nitrate」に触発され作ったそうです。
当時ギターロックが陰りを見せてた中、バーナード・バトラーのギター・プレイは一目置いてた模様。
また、Grant Lee Buffalo(グラント・リー・バッファロー)の「Fuzzy」からも影響を受けてます。
このUSインディーのロックバンドは、正直そこまで知名度はないんですが、ノエルがこの範囲まで興味を示してた事にお驚きですね。
うん、聴くと確かに同じようなテイストだわ。。
で、この曲は初代ドラマーのトニー・マッキャロルが在籍した最後のシングルとなります。(最後に1位取れてよかったね)
まぁ最後と思っては叩いてなかったろうけど。。
曲調はこんな感じ
OASIS初期を象徴する肉厚なギターサウンドとポジティブ感満載のリアムの歌声で展開する5分半。
相変わらず意気揚々と歌うリアムはいよいよ無敵の領域に足を踏み入れてきた時期ですね。
サビの高音部分も軽々と乗り越えていきます。
エンディングではノエルの歌声も入ってきて、兄弟2人が追いかけっこでもするかのようなコーラスワークを披露。
聴いてるこっちまで楽しい気分になってしまいます。
それにしても歌詞である。ノエルの歌詞はやたら韻を踏むことでお馴染みだが、ここでも中々 のもんです。
みたいな感じでノエルのこだわり?がよく分かりますね。
こんだけリズムよく踏んでたらリアムも歌ってて気持ちいんじゃないかと思ってしまう。
OASISの曲が耳に馴染みやすい理由として、曲のテンポ、メロディーの分かりやすさ、といった所がよく挙げられるが、実はこの多めに韻を踏む歌詞のリズム感も僕らの耳にフィットしやすい理由ではないしょうか。
また、Suedeの「Animal Nitrate」からの影響は歌のメロディーというより、リードギターに出てるかと。
そんな複雑なフレーズを弾き倒すわけではありませんが、歌メロの延長のようなシンプルなリードギターがノエルの特徴ですね。
ミュージックビデオ
ビデオの方はといいますと、あまりイイ感じに仕上がっておりません!
何故ならビデオ撮影にリアムが現れなかったからです。。
よってこのビデオは「Cigarettes&Alcohol」、「Supersonic」、「Whatever」の素材を繋ぎ合わせて作られました。
これに対しノエルは「1位を取った曲なのにビデオがないなんてありえねぇ。」とコメント。
B面収録曲
B面には以下の通りです。(※赤字は日本盤のみ収録)
・Acquiesce
・Headshrinker
・Some Might Say(demo)
・You’ve Got to Hide Your Love Away
Talk Tonight
米国ツアー中にリアムと喧嘩し、バンドから飛び出した際に書かれた曲。
そのせいか、この曲だけは最初からノエル自ら歌おうとしてる感じがします。
アコースティックギター、キーボード、そして手拍子というシンプルなアレンジで仕上げています。
哀愁を帯びたノエルの歌声はタイトル通り静かな夜に聴きたくなりますね。
実際ノエルにとってはお気に入りの1曲で、OASISのライブではもちろんソロになってからもセットリストに入れる事があります。
その際はほとんどバンドアレンジですけど。
お気に入りを証明するものとして、自ら選曲したベスト盤『Stop The Clocks』にもリストインしています。
また、ポール・ウェラーのお気に入りとしても有名でTVライブでもこの曲を一緒に演奏してましたね。
Acquiesce
90年代にはライブのオープニングを飾ることもあった人気曲ですね。
ギャラガー兄弟が交互にボーカルを取るスリリングな展開に胸がアツくなるファンも多かったのではないでしょうか。
こんなアツい曲をB面に留めておくのはもったいないと思ったのはファンのみならず、あのクリエイションレコードの総帥アラン・マッギーも「これをA面にしよう!」とバンドに提案するがノエルは断固拒否。
その替わりではないけど、『The Masterplan』ではアルバム1曲目に相応しいインパクトで作品をリードしてくれました。
この曲が作られたのは何と電車の中。というのも、スタジオに向かうために電車に乗っていたノエルでしたが、その列車がトラブルでしばらく停車することに。
その間に持っていたギターで作ったのがこの「Acquiesce」。結局スタジオに着く頃にはアレンジも含めほぼ完成したというからスゴイもんだ。
歌詞の内容からして「兄弟は互いに信じあっている」という見方を多くの人はしたが、ノエルはこれをキッパリ拒否。
ノエル曰くこれは兄弟愛の歌ではなく、恋人や友人をイメージしてるんだとか。
そもそも何故デュエット曲なのか?という事に関しては、「リアムが酔っ払ってたかの理由で高音が出なかったから」だそうです。
ちなみベスト盤『Stop The Clocks』リリースの際には、この曲がリードシングルとして今度こそA面でリリースされました。(B面がライブバージョンの「Some Might Say」なのはシャレかな?)
Headshrinker
初期OASISならではというか、荒さ全開のパンキッシュなナンバー。
こういう雰囲気出すにはやっぱトニー・マッキャロルが最適だよな〜と感じる。こういう曲はアランだとウマすぎるんだよね。
ノエルによればこの曲は、リアムが一時付き合っていた女性について書かれているらしい。
『The Masterplan』にも収録されてますが、これはファン投票とは別にバンドの意向で入れられたもの。
Some Might Say(demo)
ノエルが歌うデモバージョン。弾き語りバージョンのデモも存在しますが、シングルのB面に収められたのはバンドバージョン。
リリース版を聴いた後だとかなりモッタリ感がありますね笑
まぁデモといえども、テンポと歌ってるのがノエルとういう事以外は、特にリリース版と大差ありません。
弾き語りバージョンの方もこれまた根幹は大差なく、早い段階で確信を持ったメロディーだったようですね。
You’ve Got to Hide Your Love Away
言わずと知れたジョン・レノンが歌うビートルズソングをノエルがカバー。
ノエルが居間のソファーで寛ぎながら歌ってるような雰囲気で、ホントにボーナストラックといったような収まり方だ 笑
ソロでの演奏
リアムは近年ソロでも取り上げてますね。
中でも、盟友ボーンヘッドを迎え入れて披露した2019年のMTVアンプラグドはとても素敵な演奏でした。
他にはBBC Music(2017年)、Radio X(2018 年)での演奏がYou Tubeにて観れます。
一方ノエルの方は今のところやってないんですが、これもいわゆる「自分の声より弟の方が合っている」類いの曲なんでしょうかね?本人曰く「Morning Glory」や「Rock’n’Roll Star」がそういう感じのようですけど。
とはいえリアムがブチったMTVアンプラグド(1996年)では歌ってます。
前半まとめ
はい、いかがだったでしょうか?
強烈な社会現象となり、OASISを時代の寵児に仕立て上げたのが2ndアルバム『(What’s The Story)Morning Glory?』とするばらば、その起点となったのがこの「Some Might Say」ではないでしょうか。
なかなかインパクト十分な第2章の始まりですね。
Grant Lee Buffaloという意外なバンドからの影響が個人的に興味深いエピソードでしたが、最終的にはノエルの言うようにとてもOASISらいし曲に仕上がってますね。
また、「Acquiesce」というパンチの効いたB面曲がある所も見逃せません。
リアムはソロで「Acquiesce」も「Some Might Say」も演りオーディエンスを湧かせましたが、是非!ノエルにもまたどっちの曲でもいいんで歌ってほしいな〜と思ってます。
オマケいろいろ
・マンチェスター・シティを応援する横断幕。
・あの本田翼さんもテレビ番組で取り上げた話。
ジャケット秘話
このジャケット実は、まずはモノクロで撮影されています。そしてその後、水彩絵具などを使い地道な作業を繰り返しようやく皆さんが目にしている完成品にたどり着いたわけですね〜。
この経緯マジでスゴくないですか?超力作ですよ。
で、撮影が行われたのはマンチェスターの南東部100kmに位置するダービーシャー。そこにあるマットロックという村のクロムフォード駅で行われました。
この写真は「Some Might Say」の歌の中にある『人気のない駅』という言葉が作り出す世界観を表現しています。
おじさんが台車を押す『シンクにいっぱいの魚』、『教育してくれないか?』というメッセージを持つ浮浪者など、実はそれぞれが歌詞を表現するための意味ある役割だったりします。
こんな感じですね↓
On this day in 1995, @oasis released “Some Might Say”, which would go on to become the band’s first No.1 hit single.
— Absolute Radio 90s (@AbsoluteRadio90) April 24, 2022
Here’s the artwork image explained. Taken at Cromford railway station in Derbyshire, the image correlates to lyrics within the song. pic.twitter.com/dy4kdqLtXZ
そして1番奥にはギャラガー兄弟も出演しておるんですわ。
おはようございます🌞
— ショウ@Oasis Fan🇯🇵 (@smartmen2021) October 4, 2021
今思い出したんですが…皆さんお気付きだろうか…?
Some Might Sayのジャケ写の奥にギャラガー兄弟がいるのを。。
橋の上にリアム、水をやるのがノエル。。#oasis pic.twitter.com/dwm4vGNPIs
この撮影秘話については音楽ライター&カメラマンの桑田英彦さんの記事で詳しく書かれてるので興味のある方は是非。
ちなみに現在のクロムフォード駅はこんな感じになってます(➡写真①、➡写真②)※PCからのみ。
マンチェスター・シティを応援する横断幕
Some might say we will find a brighter day
— Manchester City (@ManCity) October 2, 2020
😎
🎤 #MorningGlory25
🔷 #ManCity | https://t.co/axa0klUGiM pic.twitter.com/Qb0FHFre11
ギャラガー兄弟が熱烈に応援するマンチェスター・シティのホームである、エティハド・スタジアムにも歌詞を引用した横断幕がスタンドで掲げられています。
シティの選手達が歌うソングは割と「Wonderwall」が多い気がするのですが、ここではポジティブ感を出すためか「Some Might Say」の歌詞が用いられてますね。
本田翼さんもイチオシ
まぁ知ってる人は知ってると思いますが、本田翼さんも我らがOASISに興味を示してくれてます!
2018年「関ジャム完全燃SHOW」に出演した際にお気に入りの曲の1つに「Some Might Say」を挙げていました。
B’zが好きなのは知ってたんですが、OASISを挙げてくるとは意外でしたね〜。
その後のOASIS熱はどうなってるのかは不明ですが、是非またOASISについて語っていただきたい!
ちなみに番組内ではOASISの他にMaroon5の「Maps」、欅坂46の「二人セゾン」をピックアップされてました。
欅坂46もデビュー当時からかなり好きみたいですね。
はい、以上になります!
ありがとうございました(・∀・)b