前回の続きで、今回は12年前に行われた大阪公演を振り返ります。
もう12年前か、早いですなっ!!
僕は3/24、25の2日間参加してますが、この記事では初日(3/24)の事を書きます。
それでは、どうぞ!
約3年振りの来日公演
2009年の3月24日、その日は首を長くして待っていたOASISの大阪公演だ。
新作『Dig Out Your Soul』を引っさげてやって来る。
前回の大阪公演が2005年11月の大阪城ホールだったので、このライブは3年と4ヶ月振りになる。
会場は大阪南港にあるインテックス大阪。
普段はモーターショーなどの展示会などがよく行われているが、ライブ会場で使用される事も多い。
サマソニ大阪が現在の舞洲会場になる前は、ここも会場の1つとして使われ、僕も一度来たことはあった。
転がる男
ライブ当日、わりと早めに現地についた。
手荷物検査を済ませ、会場に入る。
上着やカバンをロッカーにしまい、特にすることもないので早々と場内に向かった。
会場はオールスタンディング仕様でブロックで区切られている。
ブロック内でもなるべく前方を狙おうと足早に向かっている僕を、高速のダッシュで横切って行った男がいた。
しかし何かにつまずいたのか、派手に転がり他の者に先を越されていた。
人生は足元に気をつけろとこの男は僕に教えてくれたのだろうか?
OASIS登場までは2時間近くあったと思うが、その間場内に流れるのはThe JamやStone Rosesといったお馴染みのバンドが多かった。
開演直前の興奮
時間が迫るにつれブロック内にも人の圧迫感が増す。
僕の身長は177cmと決して小柄ではないが、その日は運悪く周りにさらに大柄の連中が多かった。
ステージを観るのもこれは楽じゃないなと、容易く予想できた。
ステージ上ではローディ達が楽器の最終セッティングを始めだした。
念入りにチューニングされる楽器は、いつも雑誌や映像で観るそれである。
こうやって生の近い距離で見てると、少年に返ったかのように心がワクワクしてくる。
特にノエルのギターが視界に入った時は、興奮を隠さずにいられない。
あとわずかでこのステージにOASISが立つのかと思うと、これは現実か夢なのかも区別できなくなるようだった。
準備万端のオーディエンス
気が付つけば会場はもう準備万端といった雰囲気のオーディエンスで埋め尽くされていた。
記憶が曖昧だが、その時Stone Rosesの曲が流れていたと思う。
そして、その曲の音量も段々と上げられていき、僕達の興奮を煽っていく。
時間は定刻からそれほど遅れていなかったはずだ。
遂に場内は暗転した。
Rock’n’Roll Star
お約束の「Fuckin’ in the Bushes」 が流れ出し、ボルテージの上がったファン達はまだ誰も登場していないステージに向かい、思い思いの言葉を投げ掛ける。
どういう順番での入場かは忘れたが、遂にメンバーの登場だ。
約3年ぶりにメンバーを見た瞬間、ゾクゾクとワクワクが同時に押し寄せた。
リアムとノエルがそれぞれ軽く挨拶の言葉を入れたあと、すぐに「Rock’n’roll Star」のギターが鳴らされた。
リアムから同じみのメロディーが放たれ、僕の心にも何かが帰ってくるような懐かしさと興奮が入り乱れた。
待ってましたといわんばかりにオーディエンスはジャンプで応戦し、僕の周りもかなりの熱気がひしめき合った。
気がつけばこれまた大柄の外国人にガッツリ視界を塞がれ、仕方なく後方に位置を下げた。
結果的にはステージがよく見えるようになり良かったのだが。
立派なもみあげ
そしてそのクリアになった視界に写ったのは、坊主頭のリアムでおまけに立派なもみあげを蓄えてるではないか!
晩年のエルヴィス・プレスリーを彷彿させるそのもみあげに衝撃を受けつつも、「Lyla」「The Shock Of The Lightning」と盛り上がること必至のナンバーが次々繰り出されていく。
3月だったが、その場にはもはや季節など存在せず、ひたすら熱狂に満ちた異空間だった。
感極まるThe Masterplan
6曲終えた所でリアムが一旦ステージを去り、ノエルがマイクに向かい直す。
まずは「Waiting For The Rapture」が始まるが、CDよりはるかに激しいギターリフになっている。
アンプの後ろでWhite Stripesのジャック・ホワイトがギターで援護してるかのような轟音だった。
安定感のあるボーカルは3年前よりもさらに磨きがかかり、ライブといえども凄くクリアだった印象がある。
ノエルはギターをアコースティックに持ち替え、「The Masterplan」を奏でる。
結論から言えば、この日演奏された曲のベスト3には余裕で入る素晴らしい演奏だった。
アコースティックで音全体が聴き取りやすいのもあるが、耳に入っくる音が全て感動的で、ノエルの全身全霊を投じたような圧倒的なパフォーマンスだった。
この曲に送られた拍手はより一層大きかったと思う。
もみあげは気になるがいいライブ
リアムが戻って来て始まった曲は「Songbird」。
こちらもライブアレンジで素敵な演奏を聴かせるが、どうも例のもみあげが気になり純粋に集中できない。
まぁもみあげは仕方ないが観客受けもイイ曲で、手拍子に乗せて弾むように歌うリアムが最高だった。
続いて僕も大好きな「Slide Away」が始まる。
キーの高い曲でリアムも辛そうだが、全力投球で熱唱する。
この曲は、ノエルが語りかけるように歌うクライマックス部分が情熱的で、やはりこの日も胸が打ち砕かれた。
その後も「Morning Glory」「The Importance Of Being Idle」「Wonderwall」とヒット曲が連発され、「Supersonic」をもって本編は締め括られた。
ロックンロールバンドへの希望
アンコール、ステージに戻ってきたのはリアムを除くメンバー。
ノエルはアコースティックギターを持ち準備を始める。
こういった合間に、観客から「アニキ〜〜!!」と呼び掛られるのはもはや恒例行事だ。
そのアニキが優しく弾き始めたのは「Don’t Look Back In Anger」。
このツアーではアコースティックアレンジで演奏されており、より歌の存在感が増している。
サビの1番と2番は完全にオーディエンスに委ねられ、「ほら、お前らの番だぜ」とでも言うようにノエルは客席を眺める。
ここに居る人達が、どんな想いを抱えこの日この場所に集まったのかは分からないが、それぞれが同等の熱量で同じメロデイーを歌い、同じ空間で一つになっているのは事実だった。
この曲でノエルは”ロックンロールバンドなんかに身を委ねるな”と書いたが、少なくとも僕達はこの瞬間だけは、ロックンロールバンドに希望を感じ、声を張り上げる事でそれを共有した。
終わりは訪れる
その後「Falling Down」を挟み、リアムが戻っての「Champagne Supernova」へと続く。
このライブは12年前で正直記憶が曖昧な部分も多いのだが、この曲を観てた光景はわりとハッキリ覚えている。
光景は覚えてるんだが、それを見て何を感じてたのかは思い出せない。
まぁ、「そろそろ終わっちゃうのか、帰りたくねぇな〜」くらいの事だろう。
しかし、その瞬間は避けられないもの。
ラストはビートルズのカバー、「I Am The Walrus」で盛大に盛り上りライブは締め括られた。
メンバーはそれぞれオーディエンスに感謝を伝え、手を振り帰っていく。
最後ノエルは足元のエフェクターをイジり奇妙な音を残し、大きな拍手の中立ち去って行った。
ボロボロ
こうして、約3年振りの来日公演大阪初日は幕を閉じた。
翌日も参加したが、セットリストも同じでおそらくそれほど大きな違いはなかったと思う。
ありきたりな表現だが、2日間通して大満足だった。
普段はあまり筋肉痛にはならないが、この時はダメージを受けていたようで翌日は体が動かしにくく、ポケットに入れてたチケットもボロボロだった。(当時ガラケーだったので画質悪いです⬇)
セットリスト
01. Fuckin’ in the Bushes
02. Rock’n’Roll Star
03. Lyla
04. The Shock of the Lightning
05. Cigarettes & Alcohol
06. The Meaning of Soul
07. To Be Where There’s Life
08. Waiting for the Rapture
09. The Masterplan
10. Songbird
11. Slide Away
12. Morning Glory
13. Ain’t Got Nothin’
14. The Importance of Being Idle
15. I’m Outta Time
16. Wonderwall
17. Supersonic
〜Encore〜
18. Don’t Look Back in Anger
19. Falling Down
20. Champagne Supernova
21. I Am The Walrus
あとがき
以上になります!
気がつけばあれから12年経ったので、記憶を何とか呼び起こしながら仕上げました。
詳しくは書けてませんが、一応『Dig Out Your Soul』のツアーなのでアルバム曲も5曲披露され、ライブの方がカッコよく聴こえた印象でしたね。
という感じになります。
ありがとうございました✋