今回は「Don’t Look Back In Anger」です。
今や世界中で愛される凄まじい曲となりました。
OASISやノエルのライブを体験された方は、この曲の大合唱を心から楽しんだかと思います。
また、2017年のマンチェスターテロにおいてもこの曲は重要なものとなり、傷ついた人々の心を支えました。
この記事ではそういったところもクローズアップしていますので、是非とも目を通してみて下さい。
リリース背景
爆発的セールスを記録した2ndアルバム、『(What’s The Story)Morning Glory?』からの4枚目のシングルとして96年の2月19日にリリースされたノエルがボーカルをとる1曲。
ノエルのボーカル曲がA面になるのはこの曲が初めてです。
チャートアクションも絶好調で「Some Might Say」に次ぐ2度目の全英1位を獲得しました。
曲のクオリティの高さ、評判の良さからも分かるように、やはりリアムも自ら歌いたかったそうですが兄に拒まれてしまいました。
ジョン・レノンの「Imagine」のようなイントロから始まるこの曲は、コード進行も同じような感じで進んで行き、特に目新しさは感じませんが、不思議とノエルの歌声に連られるように歌の世界観に引き込まれてしまいます。
当時、リアムの声の強烈な存在感が売りだった事は言うまでもありませんが、同時にノエルの歌声にも魅力を感じるキッカケとなったのがこの曲ではないでしょうか。
そしてこの曲は日を追うごとに多くの人に愛され、OASISにとってのビッグアンセムとなりました。
B面収録曲
相変わらず聴き応えのあるB面曲は以下の通り。
Step Out
こちらもノエルが歌う軽快なポップナンバー。
しかめっ面が売りのノエルでさえも笑顔で歌ってそうな曲調だが、ライブ映像を見る限りそうでもなかったかな笑
そして、この曲は本来『(What’s The Story) Morning Glory?』に収録される予定でしたが、外れることになりました。(プロモ盤には収録されている)
その理由としては、スティーヴィー・ワンダーの楽曲「Uptight(Everything’s Alright)」に酷似してるため、アルバム収録する際にはワンダー側からの要求で法外なロイヤリティ(wikiによれば10%)を支払わければならなかったためです。
Underneath the Sky
B面集『The Masterplan』にも収録さてれおり、ノエルもお気に入りの1曲。
普段はオラオラ系のリアムですが、ここでは物憂げなメロディーを見事に歌いこなしています。
やはり、こういうギャップもOASISの魅力の1つですよね。
間奏にギターソロではなくピアノソロをもってきたのもGood。
Cum On Feel the Noize
こちらはSlade(スレイド)のカバー曲で、73 年に全英チャート4週連続1位を記録した大ヒットソング。
OASIS以前にはQuiet Riot(クワイエット・ライオット)もカバーしてヒットさせています。
曲自体が良いのもありますが、若かりしギャラガー兄弟が放つエネルギー溢れた歌声も聴き応え十分です。
96年のメインロード公演でも、勢いたっぷりの演奏をブチかましています。(⇒動画はコチラ)
2017年、マンチェスターテロとDon’t Look Back In Anger
2017年5月22日、マンチェスターアリーナで発生した自爆テロ事件。(当時のニュース映像)
この痛ましい事件から立ち直ろうとするマンチェスターの人達の心を強く支えたのが「Don’t Look Back In Anger」でした。
5月23日に行われた追悼集会で、突如1人の女性がこの曲を歌い始めました。
すると、それに合わせて周りの人達も一緒に歌い出します。
深い悲しみの中、それでも希望を持って静かに立ち上ろうとする瞬間でした。
One Love Manchester
6月4日にはチャリティーイベントの“One Love Manchester”が開催されます。ここでは、Coldplayとアリアナ・グランテによって演奏され、オーディエンスと共に大合唱しました。
リアムはこのイベントにノエルが参加してない事を不満としましたが、ノエルは「Don’t Look Back In Anger」の印税収益をマンチェスター支援基金に寄付しています。
サッカー親善試合
さらに6月13日にはフランスで行われサッカーの親善試合、イングランド対フランスの試合前にもブラスバンド隊により演奏されました。
それに合わせてスタンドからも大合唱が巻き起こります。(⇒動画はコチラ)
グラストンベリーフェスティバル
そして、6月23日〜25日に開催されたグラストンベリーフェスティバルにおいても「Don’t Look Back In Anger」は人々に歌われる事になります。
まず23日に、William’s Green Stageで上映された映画『Supersonic』のプレゼンターとしてノエルが登場し、そこでノエルが冒頭の一部を歌ってあとはオーディエンスに託しました。
その翌日、24日にはOther Stageにリアムが出演し、こちらも熱のこもったアカペラを披露しています。(⇒動画はコチラ)
For the victims of Manchester and London attacks, and #GrenfellTower
— BBC Sounds (@BBCSounds) June 24, 2017
For the first time EVER, @LiamGallagher sings Don’t Look Back in Anger pic.twitter.com/bQZjcV5Dos
We Are Manchester
事件から約3ヶ月が経った9月9、マンチェスターアリーナの営業が再開されました。
それに合わせたチャリティーイベント“We Arer Manchester”が開催され、そこにノエルも出演。
「Don’t Look Back In Anger」を演奏した際に、感極まる瞬間もありました。(⇒動画はコチラ)
このようにテロ発生以降、幾つもの場所で歌われた「Don’t Look Back In Anger」、この曲が持つ希望的エネルギーを信じ、マンチェスターの人々はまた前を向いて歩き始めたのです。
その他エピソード
それでは、他にも「Don’t Look Back In Anger」にまつわるエピソードを何点か紹介しましょう。
サリーとは誰なのか?
歌詞の中に登場する『サリー』は一体何者?とういう問題。
ノエルによれば、リアムの聴き間違えから誕生したとの事。
パリで行うライブのサウンドチェック時に、この曲を歌っていたノエル。
それを聴いていたリアムが、「サリーって誰だよ?」とツッコミを入れる。
「は?何言ってんだよ?」と返すノエルに、「お前、今“So Sally Can Wait〜”って歌っただろ?」とリアム。
まだサビ部分の歌詞を決めかねていたノエルは、曖昧に歌ってただけらしいんですが、「これはイイ、頂いとくぜクソッたれ」となり正式採用しました。
ジャケット
このジャケット、元ネタはビートルズからリンゴ・スターが一時的に脱退した時の話。
結局は戻ってきますが、『ホワイトアルバム』のレコーディング中にリンゴはバンドに嫌気が差しスタジオを抜け出しました。
そして、紆余曲折を経て戻ってきた時に、リンゴのドラムセットやスタジオ内には、沢山の花が飾られていたそうです。
「Don’t Look Back In Anger」のジャケットはそのエピソードへのオマージュで、10000本のカーネーションが敷き詰められています。(うち3000本は青色に染められたもの)
そして、次の写真にも面白いものがあります。
”オレンジ”のアンプにはジョン・レノンの顔?のようなものが貼られ、”マーシャル”のアンプにはノエルの顔がプリントされた紙幣が貼り付けられています。
これはなかなか芸が細いですね。。
OASISファンが歌うミュージックビデオ
2014年にはファンの口パクで構成されたミュージックビデオが公式に作成されました。
日本人も多数映っており、人気のイベント”OASIS NIGHT”の映像も収められています。
サマーソニック2005
ノエルのソロも含め、OASISが来日する度に演奏されてきた「Don’t Look Back In Anger」。
中でも転機となったのが2005年のサマーソニックではないでしょうか。
何故なら、この時ノエルは大阪公演で初めて日本でもサビ部分(1番)をオーディエンスに託したからです。
僕もその場にいましたが、あの感動と興奮は未だに忘れられないですね。。
ちなみに、その翌日の千葉公演では2番のサビも託しています。(コレはイケると思ったのかな?)
auのCMソングに
2013年にauのテレビCM「Perfect Sync」編にて起用されました。
『BECK』や『ルックバック』でも
2010年にはハロルド作石が原作の漫画、『BECK』の実写映画でエンディングテーマとして使用されました。
おはようございます🌄何か珍しくOASISがトレンド入りしてるな〜と思ったら…。ルックバック読みました。凄い作品ですね。今朝は一曲でいきます!https://t.co/x1bA3MaWYr pic.twitter.com/ilyFhtkRuE
— ショウ@Oasis Fan🇯🇵 (@smartmen2021) July 18, 2021
また、2021年に『少年ジャンプ+』で配信された藤本タツキさん読み切りの漫画『Look Back』でも話題を呼びましたね。
これは漫画内の1ページ目に“Don’t”、最後のページに“In Anger”がそれぞれ非常に小さく書かれてる箇所があり、これらをタイトルの“Look Back”と繋ぎ合わせるとOASISの曲名になるという謎ときのようなものが話題になりました。
ロラパルーザ・アルゼンチン2016
2016年のロラパルーザ・アルゼンチンに出演したノエル。
かなりゴキゲンな様子のライブで、中でもほぼ全てをオーディエンスに歌わせた「Don’t Look Back in Anger」は圧巻です。
グアルディオラも熱唱
マンチェスター・シティがプレミアリーグ2020-2021シーズンの優勝を決めた際には、監督のジョゼップ・グアルディオラも超ゴキゲンに「Don’t Look Back in Anger」を熱唱!
ちなみにペップ(グアルディオラの愛称)とノエルは過去に対談も行うほどの仲良しです。
ノエルの家にはペップの等身大パネルもあるそうですよ。
あとがき
OASISにとってもファンの皆さんにとっても、非常に大きな意味を持つ曲かと思います。
特に2017年のテロ事件以降は、さらに大きな希望の歌として世界中に鳴り響いていますね。
で、最後に。
Twitterでこのようなアンケートを取ってみました。
Don’t Look Back In Angerなんですが、ネブワース公演のようにCD通りバンドverで演る時と、Oasis後期やソロでも演るアコースティックverがあります。
— ショウ@Oasis Fan🇯🇵 (@smartmen2021) September 26, 2021
どちらが好みですか❓#oasis
ま〜、これはもう圧倒的な結果になりましたね笑
僕もやっぱ、ノエルが歌ってソロも弾いてってバージョンが好きかな。
はい、以上になります。
ありがとうございました(・∀・)b