今回取り上げるのは「Whatever」です。
日本でも多くのCMで使用され知らない人はいないんじゃないですかね?
それくらい耳に馴染んでる曲かと思います。
また、B面も超充実した内容になってます。
それではいってみましょう!
リリース背景
OASISという名の強烈な爆弾が投下された94年、「Supersonic」から『Definitely Maybe』の流れは新たなロックの希望を徹底的に印象付けた。
口は悪いがメロディーは良いという、ギリギリの所で憎まれないシステムになってるOASISをロックファンは歓迎したのだ。
今回ピックアップする「Whatever」は、全英1位に輝いたアルバム『Definitely Maybe』から約3ヶ月後にリリースされた。
12月18日のリリースという事で、クリスマスシングルという意味合いもあり初登場3位(OASIS初のトップ5入り)を獲得している。(1位はマライア・キャリーの「All I Want For Christmas Is You」)
曲調と歌詞
本格的にオーケストラを取り入れた作品でOASISとしても次のステップに踏み込んだ感じだ。
このサウンドをバックに自信たっぷりに歌い上げるリアムはこの時点(当時22歳)ですでに十分な貫禄をまとっている。
曲の中に荒々しさはほとんど無く、広大で心地良いメロディーとバカ正直で前向きな歌詞が僕達に無限の希望を与えてくれる。
ビートルズは多くの人々に希望を贈ったが、OASISもまたそれを継承し、世界を照らす役割をここで決定付けたのではないか。
盗作騒動
大きな自由を歌った歌詞で好スタートを切った「Whatever」だったがやがてある問題に巻き込まれてしまう。
英国のミュージシャン兼コメディアンのニール・イネスが「Whatever」のメロディーの一部が「How Sweet To Be A Idiot」(ニールの楽曲)より盗用されているとOASISを訴えたのだ。
結果的には「Whatever」のクレジットにイネスを入れる事で解決している。
問題とされるのは冒頭のわずかな部分で、ノエルは舌打ちしてたかもね。。
B面収録曲
B面に関しては英国盤と日本盤で内容が異なる。
英国盤
・(It’s Good) to Be Free
・Half the World Away
・Slide Away
日本盤
・(It’s Good) to Be Free
・Fade Away
・Listen Up
・Half the World Away
・I Am The Walrus
日本盤はもはやミニアルバム仕様で間違いなくオススメできる内容だ。
一切捨て曲なしだが、特筆すべきは「Half The World Away」と「Listen Up」じゃないだろうか。
Half The World Away
「Half The World Away」はノエル自身もお気に入りの曲でソロになった現在でもライブで演奏されファンからの人気も高い。
メランコリックな雰囲気でとても心温まるメロディーである。
個人的にもこのシングルで「Whatever」の次によく聴いた曲だ。
Listen Up
「Listen Up」も胸が張り裂けんばかりに歌うリアムに心を打たれてしまう。
全然A面でもイケちゃうよね。。
そういや、イントロが「Live Forever」+「Supersonic」って表現もよくされてましたね。
ミュージックビデオ
オーケストラと共演しているMVだが、みんな歩き回ったり寝転んだり座り込んだりで締りがない。
「Whatever」の内容を体現してるのか?!とさえ思ってしまう。
ノエルはかなり自由に動き回っていて、撮影時に酔っ払ってた事を認めている。(『Time Flies』のDVDで分かります)
ソロでの演奏
『Morning Glory』期のツアー以降はほぼ演奏されておらず、2001年〜2002年、2009年にノエルが弾き語りで歌った程度ではないだろうか。
特に日本では人気がある曲のため、テレビ出演時も含め何度も演奏してくれた。
僕も、2002年のOASIS来日時にノエルが出演したラジオ番組を録音して食い入るように聴いたな〜。
【Live at Glasgow 2001】【Live at 幕張 2009】
ノエルはソロになってからよく取り上げており、来日公演でも高頻度で演奏している。
特にフェスに行った人は必ず聴いてるはずだ。【サマソニ大阪2018】
リアムも2018年にようやく歌うようになった。【Live 2018】
前半まとめ
この曲が人気な理由はその美しいメロディーに加え、自信を持つ事や、自由にやって構わないといったポジティブな歌詞にもあります。
それをリアムがあのストロングな声で歌うんだから破壊力抜群ですよね。
あと、長い間どのアルバムにも未収録でようやくベスト盤『Time Flies…1994-2009』で収録されました。
最近ファンになった方はこのベスト盤から入るのもアリですね。
さらに 「Half the World Away」などの充実したB面にも注目して下さい。
この1枚だけでも、初期OASISの素晴らしさを存分に味わえると思います。
オマケいろいろ
有名なライブ中の兄弟喧嘩やCMでの使用など、「Whatever」にまつわるエピソードを幾つか紹介。
兄弟喧嘩
1996年メインロード公演2日目の演奏で兄弟喧嘩が勃発。
この頃ライブではスタジオ版よりイントロを長くとるバージョンになっていたが、それが上手くいかず演奏が一旦中断し、それに対しリアムがイラつき悪態をついて歌う事を放棄。
仕方なくノエルが歌い乗り切るが、その間リアムはドラム前で一服。
中断した原因はハッキリ分からないが、1日目と違うのはリアムの歌い出しのタイミングが早い事は分かる。
ただ演奏開始直後ノエルは、ストリングスとハーモニカの方をしばらく向き、その後リアムと目が合った時に首を横に振る。
そしてリアムが文句を言い出し演奏がストップする流れだ。
動画のリンクを貼っておくので見比べてください。
ちなみにライブアレンジでは終盤でBeatlesの「Octopus Garden」か、Mott The Hoopleの「All The Young Dudes」を差し込むのが当時のパターンだ。
1日目の演奏はコチラ(最後はAll The Young Dudes)
2日目の演奏はコチラ(最後はOctopus Garden)
おまけで95年アールズコート公演(最後はOctopus Garden+All The Young Dudes)
どうしてもCDと同じタイミングでオーディエンスが歌い出すのでそれも紛らわしいかと。。
多くのCMで使用
まずは海外でのCM起用ですが、イタリアではボーダフォン、米国ではコカコーラの125周年を祝うキャンペーンソングで使用されました。
この曲は日本でも非常に多く使用されている。
新しいものでは大和証券(2020年)が有名でしょうか。
以下の通りこれまでもかなり使用されてきました。
ソニー/VAIO(2002年)、トヨタ/マークXジオ(2007年)、アサヒ/オフ(2009年)、大和証券(2017年)
僕の予想ではこれからもあると思いますね〜。
それだけ日本は「Whatever」が好きなんですよ!