今回はリアム・ギャラガーのドキュメンタリー作品『As It Was』(アズ・イット・ワズ)の感想です。
OASIS、Beady Eyeとかつての居場所を無くしてしまったリアムの心境はどういったものだったのか?
そして、どのようにしてソロとして復活できたのか?
そういった流れがこの作品には描かれています。
僕の視点からの感想ですが、どうぞ!
失意のロックンロールスター
ノエル脱退後に残りのメンバーで始動したBeady Eye。
しかし2枚のアルバムを出して終了してしまう。
アンディ・ベルがライドをやりたいと言ったとか?
まぁどっちにせよリアムはバンドを失ってしまう。
リアムにとって音楽を始めてからバンドが無いとういう状態は初めての事だ。
そしてそれが彼にとってどれほど大きなショックかというのが描かれている。
あのオラオラキャラで通ってるOASISのフロントマンが、この先どうすればいいのか?という状態に陥り、苦悩しまくる姿は意外だった。
長年ファンの僕でさえ、あそこまでリアムが沈んでしんでる姿は想像できなかった。
と同時に、人間味を感じた。
いくら世界中を沸かせたロックンロールスターといえ、やはりこの人も僕達と同じ人間なんだと感じた。
そんな全てを失った彼がまたソロとしてカムバックしてくるのを描いたのがこの『As It Was』だ。
少しずつ時間を掛けて、覇気を取り戻し這い上がってくるリアムをリアルにとらえている。
電話に出ないノエル
それでもゼロになってしまったばかりの時は、ノエルに連絡を取ろうとしてた事にも驚いた。
ノエルが電話に出る事はなかったらしいが、リアムとしては仲違い中の兄をも頼りたい心境だったという事か。。
当時は離婚による慰謝料の件もあり、正直金に困っていたのもあったらしい。
ノエルもソロキャリアが軌道に乗ってる状態だったので、さすがにここのタイミングでもう一度やり直す事はなかっただろうけど、弟フル無視も可愛そうかなと。。
ソロアルバム『As You Were』制作
失意の中もうひとりの兄ポール、そして長年の盟友ボーンヘッドと共にイタリアへ少旅行し少しずつメンタルの回復。
やがて、周りの助け借りながらソロアルバム『As You Were』の制作に取り掛かる。
集められたバンドメンバー達に自分の曲が上手く伝わるか最初不安だったらしい。
リアムだって自分の作品を初披露する時は戸惑いもあるのだ。
しかし、メンバー達は曲を理解し、さらにリアムの要望を上手く音で再現していく。
OASISの時はノエルが司令塔となり仕切っていたが、ソロでは全て自分でまとめていかないといけない。
これまでの役割とは違っていたが、そこも何とかこなしていく。
リアムはとてもフレンドリーにメンバー達に接していたのが大きいと思う。
単なる自分のバックバンドというより、”オレの仲間”といった感じで尊重したように感じる。
そんな態度にメンバー達もベストを尽くそうという気になったのではないだろうか。
ステージへの復帰
【クリス・マーティンに誘われ”One Love Manchester”で「Live Forever」を熱唱した。】
完成したアルバムはチャートでも1位を獲得し、いよいよ我らがリアム・ギャラガーの帰還となった。
当然ライブ活動も再開し、それを熱い声援で迎え入れるファン達の映像が多く撮られている。
ここでもリアムはファン達ととても近い距離感でコミュニケーションを取っていた。
要求されえるサイン、写真撮影はもちろんのこと、チケットをもってない少年達をライブに招待する手配もしている。
これはドキュメトのカメラがあるヤラセ的なものではなく、彼の自然な人柄であり仲間想いな性質から起こる行動だろう。
親愛なる家族
(出典:映画『リアム・ギャラガー:アズ・イット・ワズ』公式サイト)
マンチェスターはバーネイジにある、母ペギーが住む実家に里帰りするシーンも収められている。
ギャラガー兄弟が過ごした実家の中を観れるのはとても興味深い。
リアムとノエルが共同で過ごした部屋に立ち寄り、当時の思い出を回想する所は必見だ。
それぞれの名前が書かれたネームプレートが部屋の扉に貼られてあるのは、なんだか胸アツである。
当然ペギーも兄弟の仲直りを望んでいるが…ご存知のようにそこはまだ進展してない模様。
それにしても母親と話す時のリアムの表情は柔らかく優しい。
ノエルの話題になる時ですら穏やかな口調なのだから、やはり母は偉大だ。
ちなみにOASIS時代の名ライブであるメインロード公演の初日の夜に、この家に宿泊したらしい。
ジーンとレノン
父親ソックリな2人の息子、ジーンとレノンも登場する。
リアムは息子達との触れ合いが本当に楽しそうだ。
微笑ましい程に愛情が伝わってくる。
グラストンベリーを含めライブ会場にも息子達は同席し、ロックスターである父親の背中を見つめる。
リアムは自分の父親とはイイ思い出はないが、この息子達とは間違いなくイイ関係だと言えるだろう。
余談だが、グラストンベリーのバックステージにはデヴィッド・ベッカムも登場し、演奏中はステージ横から楽しんでいた。
早朝ランニング
このドキュメンタリーでは健康的なリアムの朝活も収められている。
夜の飲み歩きは控え、早朝ランニングに励んでいるのだ。
昇ってくる朝日と広がる雲を眺め、この素晴らしい景色を見るのが好きだから『”永遠に生きたい”(Live Forever)』と語っていたのが印象的だった。
AppleMusicでは『リアムとエクササイズ』というちょっと謎なプレイリストが作られていた。
リアムと声
精力的なライブ活動は、兄ポールいわくOASISの94年〜96年頃にこなしていたライブの本数に匹敵するらしく、それを再びこの年齢でこなしている事に驚いていた。
ただ、声が出なくなってしまいステージを降りてしまったシーンも収められている。
この時リアムは自ら観客に向けて謝罪し、仕方なくステージを去った。
呼吸器官の感染症や喉の問題も抱えており、残念ながらコンディションによってはこういう日もあるようだ。
ただ、対策をしていない訳ではなく、ライブ前に頭からタオルを被って蒸気を吸ったり、タバコの制限をしたりと本人なりに努力してる映像も写っている。
OASISの時はノエルがその後を引き継ぐ事でライブを続行できたが、今はもうそれは無理でその時点で終了していまう。
これがOASISとソロの大きな違いだろう。
全ての責任をおわないといけない。
大きすぎるデビーの存在
そして、この作品で注目すべき所はマネージャーでありパートナーであるデビー・グワイサーの存在だ。
彼女の献身的な支えがなければ今日のリアムはなかったと言っても過言ではない。
単に褒めるだけではなく、リアムのダメな所も冷静に見ながら二人三脚で歩んでいる。
リアムが苦しんでいる状況は、半分は彼自身の軽率な言動が作りだしたものと語っていた。
やはりこういう事を言える人が必要だと思う。
また、リアムもそれを受け入れ自分を見つめ直したからこそ、また飛躍できたのだろう。
あとがき
【Spotifyで作成された映画の公式プレイリスト】
様々な苦境に襲われたリアムでしたが、多くの仲間、家族に支えられながらカムバックしました。
そして自分の居場所はステージ中央にあるマイクの前だと再認識したんですね。
このドキュメンタリーはリアムのもがき苦しむ姿も多く描かれてますが、そこにこれまで知らなかった彼の素顔を見る事ができます。
ファンでなくても、元OASISのロックンロールスターが挫折から這い上がっていく展開は見る価値ありだと思います。
という事で今回はここまで。
ありがとうございました✋
オマケいろいろ
/
— 映画『リアム・ギャラガー:アズ・イット・ワズ』公式 (@AsItWas_Movie) February 16, 2021
📢映画『リアム・ギャラガー:アズ・イット・ワズ』デジタル配信中&Blu-ray・DVD発売中🙌
\
詳細➡️https://t.co/o90AFaGjst
おウチで📽️ヘッドホン🎧+爆音🔊で👏#リアム・ギャラガー #アズイットワズ #オアシス